
こんばんは、A0(@A0tter_)です。
今回はシーズン2で使用し最終23位を達成した、タイマンの殴り合いからタイプ相性補完を利用したサイクル戦までこなす、いわゆる『スタンダード構築』を紹介します。
このパーティは事前に立ち回りや選出が決まっているわけではないため扱うのがやや難しいですが、採用されているポケモンのスペックが高く、使いこなせればほぼ全てのパーティに対応できるパワーがあります。
目次
レンタルチーム

構築経緯
万能ダイマックスのトゲキッス

トゲキッスは攻撃以外の種族値が600族並みに高く、現環境最強技「ダイジェット」が使える非常にタイマン性能の高いポケモンです。
また、技「エアスラッシュ」と特性「てんのめぐみ」のコンボによって相手の受けポケモンを崩す性能も環境随一です。
これに加えて、道具「いのちのたま」を持たせることによって採用率の高いポケモンほぼ全てに対して確定数を変化させられるため、相手の想定を崩す初見殺し性能を確保することができます。
以上のように超ハイスペックポケモンであるトゲキッスを使わない手はないと思い、このポケモンを軸としました。
対面選出の確保
トゲキッスを初手に出してダイマックスさせた場合、その圧倒的タイマン性能で得た数的アドバンテージを活かして戦いたいため、ダイマックスせずとも相手のダイマックスと打ち合うことのできるギルガルドとミミッキュを採用し、『対面構築』的選出を可能にしました。
サイクル選出の確保
ここまで採用した3体、特に軸であるトゲキッスが相手のロトム(炎)に弱く、この3体の選出では相手のダイマックスロトム(炎)と打ち合った結果数的不利を取るとそのディスアドバンテージを覆せず負けてしまいます。
そこで、相手のロトムに強くトゲキッスの不利対面をカバーでき、ギルガルドとのタイプ相性補完でサイクル戦を行うことで数的不利を取ってしまった場合でも挽回できるサザンドラを採用しました。
また、「こだわりスカーフ」を持つことでトゲキッス軸の天敵であるスカーフヒヒダルマの上から行動でき、場合によっては「だいもんじ」で一撃で倒すことができます。
TOD性能の確保
トゲキッスは基本的に相手のダイマックスポケモンとの打ち合いで勝利することができますが、そのトゲキッスと対等に打ち合ってくるダイマックスポケモンとしてギャラドスとドリュウズが挙げられます。
そこで、この2体のポケモンとトゲキッスが対面した時の引き先としてナットレイを採用しました。
上記の対面でナットレイに引き相手のダイマックスを受け流すことで、こちらのトゲキッスでより全抜きしやすくなります。
さらに、ナットレイとタイプ相性が良く、2体で合わせてTODを仕掛けることができるドヒドイデを採用しました。
初手をダイマックスさせて受けポケモンに引いて時間を使うことで判定勝ちを狙う、せつないさんのTOD特化構築のような動きも可能になりました。
個別紹介
トゲキッス

特性 | てんのめぐみ |
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性格 | ひかえめ |
持ち物 | いのちのたま |
努力値 | HP:4 攻撃:0 防御:0 特攻:252 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 161-x-115-189-135-132 |
技 | エアスラッシュ マジカルシャイン だいもんじ くさむすび |
調整意図
・CS振り切り
解説
高いタイマン性能
トゲキッスは使わない種族値(トゲキッスの場合は攻撃)を除いた実質種族値が現環境TOP5に入るほど高く、さらに広い技範囲により多くの相手と撃ち合えます。
また、今作最強技「ダイジェット」のおかげで自身より速い相手に対して素早さ関係を逆転させて行動回数を増やすことも可能です。
これらの要素のおかげでダイマックスを使用した際のタイマン性能は環境随一で、対等に張り合えるのはギャラドス・ドリュウズ・ミミッキュ・ドラパルト程度でしょう。
「いのちのたま」による確定数の変化
トゲキッスは採用率が高く常に警戒の対象で、耐久調整などで露骨に対策されてしまうことがあります。
しかし「いのちのたま」を持たせることでダイマックスドラパルトやミミッキュ、カバルドンなどの確定数が劇的に変化するため、メジャーポケモンでは本来持ち得ない相手の想定を崩す性能を得ることができます。
ミミッキュ

特性 | ばけのかわ |
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性格 | ようき |
持ち物 | アッキのみ |
努力値 | HP:148 攻撃:92 防御:12 特攻:0 特防:4 素早さ:252 |
実数値 | 149-122-102-x-126-162 |
技 | ゴーストダイブ ドレインパンチ かげうち つるぎのまい |
調整意図
HB:防御1段階上昇時、177(252)ギャラドスの 「いのちのたま」持ち 「ダイジェット(とびはねる)」を93.7%で耐え
HD:189(252+)トゲキッスの「ダイジェット(エアスラッシュ)」を確定耐え
A:攻撃2段階上昇時、181-75(4-0)ヒヒダルマを「ドレインパンチ」で確定1発
解説
対ダイマックス
調整意図にある通り、このミミッキュは相手のダイマックスポケモンの技を1回以上耐えるように調整されています。
さらにダイマックスターンを稼ぐのに使える「ゴーストダイブ」を覚えさせているので、「ばけのかわ」・1発耐える・「ゴーストダイブ」というようにこのポケモン1体で相手のダイマックスターンを枯らすことができます。
ギルガルド

特性 | バトルスイッチ |
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性格 | れいせい |
持ち物 | じゃくてんほけん |
努力値 | HP:252 攻撃:4 防御:4 特攻:76 特防:172 素早さ:0 |
実数値 | 167-71-161-88-182-72 |
技 | シャドーボール アイアンヘッド かげうち キングシールド |
調整意図
HD:189(252+)トゲキッスの「いのちのたま」持ち「ダイバーン(だいもんじ)」を93.7%で耐え
解説
トゲキッスの弊害を除去
軸であるトゲキッスの天敵であるヒヒダルマに対してトゲキッスが対面した場合、トゲキッスが地面無効であること活かしギルガルドを後出しして処理することができます。
また、ダイマックス同士の撃ち合いで負けてしまうドリュウズに対しても「じゃくてんほけん」を活かして殴り合うことができ、トゲキッスを展開する前に投げることで事前にトゲキッスの弊害となるポケモンを取り除くことが可能です。
サイクルとタイマンの両立
ギルガルドといえば「じゃくてんほけん」や「きあいのタスキ」を活かしたタイマン性能の高さに注目されがちですが、トゲキッスや後述するサザンドラとの優秀なタイプ相性補完を活かしたサイクル戦も得意とするので、相手のパーティ・選出に合わせた柔軟な対応が可能です。
サザンドラ

特性 | ふゆう |
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性格 | おくびょう |
持ち物 | こだわりスカーフ |
努力値 | HP:0 攻撃:0 防御:4 特攻:252 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 167-112-111-177-110-165 |
技 | りゅうせいぐん あくのはどう だいもんじ とんぼがえり |
調整意図
C:なるだけ高い火力を出したいため振り切り
S:同族やヒヒダルマを意識して最速
解説
「とんぼがえり」で対戦をコントロール
ポケモンHOME解禁前である現環境においてサザンドラより速いポケモンはかなり限られており、その中でも「こだわりスカーフ」を持つことがあるポケモンというとドラパルト程度であるため、その他のポケモンはぼ全てに対して「とんぼがえり」から有利なポケモンを繰り出すことが安定します。
「だいもんじ」を耐えることもあるヒヒダルマに対しても「とんぼがえり」から入りギルガルドで氷技を受けることで、次サイクルでのヒヒダルマの処理が望めます。
「あくのはどう」でスイープ
現在のシングル環境で悪技を半減以下に抑えてくるポケモンはトゲキッスとニンフィア、バンギラス程度しかおらず一貫性が高いです。
前述した「とんぼがえり」で試合をコントロールし相手を削り、最終的に「あくのはどう」を上から連打することで全抜きすることを目指します。
ナットレイ

特性 | てつのとげ |
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性格 | のんき |
持ち物 | たべのこし |
努力値 | HP:252 攻撃:0 防御:252 特攻:0 特防:4 素早さ:0 |
実数値 | 181-114-201-x-137-22 |
技 | ジャイロボール ボディプレス やどりぎ てっぺき |
調整意図
HP:総合耐久をできる限り高めるため振り切り
B:役割対象のギャラドスとドリュウズと打ち合うことを考えて特化
解説
「てっぺき」+「ボディプレス」
本サイトで何度も紹介している「てっぺき」+「ボディプレス」のコンボが強力です。
また、通常の鋼+草の攻撃範囲では相手のドリュウズに「つるぎのまい」を許してしまいますが、この技構成ならば「てっぺき」から入ることで「じゃくてんほけん」をケアしながらも迅速な処理をすることができます。
ドヒドイデ

特性 | さいせいりょく |
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性格 | ずぶとい |
持ち物 | くろいヘドロ |
努力値 | HP:252 攻撃:0 防御:252 特攻:0 特防:4 素早さ:0 |
実数値 | 157-61-224-73-163-55 |
技 | ねっとう どくどく くろいきり じこさいせい |
調整意図
HP:総合耐久をできる限り高めるため振り切り
B:役割対象であるミミッキュから受けるダメージをできる限り抑えるため特化
解説
ナットレイとの受け選出
ナットレイとのタイプ相性補完が優れており、受けて完封したり特性「さいせいりょく」を活かした交代連打でTODを狙うことができます。
今シリーズはTODのルートを確保しているかそうでないかが非常に重要で、このポケモンを採用するだけで本来は勝てない相手にも判定勝ちを狙うことが可能になります。
選出・立ち回り
ドリュウズを見たらナットレイの選出を優先する、ロトム(炎)がいたらサザンドラの選出をするなどといった多少の決め事はありますが、それ以外はほとんど決まっておらず相手のパーティと状況を見て柔軟な選出と立ち回りを行います。
柔軟な立ち回りを行うにあたって何よりも重要なのは知識で、どういったパーティ・型が流行しているか把握しどれだけ警戒する必要があるかを判断することで初めてスタンダードなパーティで高い勝率を出せるようになります。
終わりに
以上が最終23位のトゲキッス軸スタンダード構築の紹介となります。
相手に合わせて選択を行う『スタンダード構築』なので選出や立ち回りについて詳しく言及できなかったのは申し訳ないのですが、上位構築の紹介記事などを見て知識を付けた後にレンタルチームを使ってその対応力を実感していただければと思います。