
こんばんは、ポケモンソルジャーのこんぷろ(@Compro_pkmn)です。
今回は、先日行われた週末大会『Pokésol Weekly Tournament #12』で優勝した澤村さん(@Sawamu_raaaaa)に使用していたパーティとその解説を寄稿していただいたため、紹介していこうと思います。
目次
レンタルチーム

※リザードンの攻撃が理想値である最低値よりも高くなっています。
構築経緯
カビゴン+高火力

耐久値や耐性の弱いポケモンは相手ポケモンへの繰り出しが不安定で、いかに相手の行動と噛み合うかのピーキーな勝負となってしまいがちです。
しかし、現環境随一のクッション性能を持つカビゴンを一度経由し安全な状況を作ってから繰り出すことで、そういったポケモンの不安定さを補って活躍させることができると考えました。
そこで、相手のポケモンを「あくび」で動かして自身の後続のポケモンを場に出しやすくできる残飯型のカビゴンを軸とし、相方となるアタッカーとして行動時のリターンが特に高い鉢巻型のガラルヒヒダルマ
、眼鏡型のドラパルト
、キョダイリザードン
の3体を採用しました。
相手のポケモンへ後出しし、「あくび」や「とんぼがえり」などで後続のアタッカーの着地を補助する高耐久のポケモンのこと。
カビゴンやタイプ:ヌル
、ガオガエン
などがこの用途で使われている。
カビゴンメタのミミッキュ

ガラルヒヒダルマは特性「ごりむちゅう」の拘り効果のせいで相手の「まもる」持ちに弱く、その最たる例として採用率超上位ポケモンであるカビゴンが存在します。
そこで、「あくび」を活かして場に出たとき誰とでも撃ち合うことができ、かつカビゴンを起点に全抜きを狙うことができるアッキ型のミミッキュを採用しました。
持ち物「こだわりメガネ」や特性「ごりむちゅう」といった拘り効果のある相手に対して、「まもる」や「みがわり」といった技で相手の技を確認・固定すること。
これを行うことで、次ターンの相手の選択肢が『同じ技』『交代』『ダイマックス』の3つに絞れるため、それに合わせた行動をすることで優位状況を作ることができる。
対ガラルヒヒダルマ

鉢巻型のガラルヒヒダルマを使うと、相手のガラルヒヒダルマに対して「こだわりスカーフ」を警戒して交代しなければならなくなり、後手後手の試合となってしまいます。
そこで、対面で居座ってきたならば「ジャイロボール」で倒す事ができ、交代されても「ステルスロック」で削りを入れられるタスキ型ナットレイを採用しました。
後続のミミッキュの「かげうち」で倒しやすくなるというのもありますが、ガラルヒヒダルマは強烈な択ゲーを仕掛けてくるポケモンなので、その回数を減らせるという点で「ステルスロック」は対策として非常に優秀です。
個別解説
カビゴン

特性 | あついしぼう |
---|---|
性格 | わんぱく |
持ち物 | たべのこし |
努力値 | HP:252 攻撃:0 防御:252 特攻:0 特防:0 素早さ:4 |
実数値 | 267-130-128-x-130-51 |
技 | からげんき ヘビーボンバー あくび まもる |
調整意図
HP:振り切り
B:特化
S:端数(ミラー意識)
解説
アタッカーの着地をサポート
このパーティには耐久値、耐性の弱いガラルヒヒダルマや「ばけのかわ」を残したいミミッキュ
など、交代際に相手の攻撃を被弾したくないポケモンが多く採用されています。
これらのポケモンを繰り出したい場合は、一度このポケモンを経由して「あくび」を使い相手の『攻撃』の選択肢を取り除くことで安全に場に出すことができます。
ガラルヒヒダルマ

特性 | ごりむちゅう |
---|---|
性格 | ようき |
持ち物 | こだわりハチマキ |
努力値 | HP:4 攻撃:252 防御:0 特攻:0 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 181-192-75-x-75-161 |
技 | れいとうパンチ ばかぢから じしん とんぼがえり |
調整意図
HP:端数
A:振り切り
S:最速
解説
非ダイマックスで超火力
特性「ごりむちゅう」に加えて持ち物「こだわりハチマキ」の2要素で火力を底上げしているため、1回の行動で得られるリターンが他のどのポケモンよりも高いです。
また、このポケモンはダイマックス権を使わず試合を動かせるため、中盤以降、相手のダイマックスに合わせてこちらもダイマックスができるようダイマックス権を温存することができます。
ドラパルト

特性 | すりぬけ |
---|---|
性格 | おくびょう |
持ち物 | こだわりメガネ |
努力値 | HP:0 攻撃:0 防御:4 特攻:252 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 163-112-96-152-95-213 |
技 | りゅうせいぐん シャドーボール 10まんボルト かえんほうしゃ |
調整意図
B:端数
C:振り切り
S:最速
解説
非ダイマックスで高火力
このポケモンもヒヒダルマ同様、ダイマックスせずとも相手のポケモンを縛って試合を動かすことができます。
素の攻撃力はあまり高くありませんが、広い技範囲で弱点を突ける相手が多いため、メガネ型を警戒していない相手には開幕から数的有利を取れることもあります。
リザードン(キョダイマックス)

特性 | もうか |
---|---|
性格 | おくびょう |
持ち物 | ラムのみ |
努力値 | HP:0 攻撃:0 防御:4 特攻:252 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 153-80-99-161-105-167 |
技 | かえんほうしゃ ぼうふう りゅうのはどう ふるいたてる |
調整意図
B:端数
C:振り切り
S:最速
解説
最強技「キョダイゴクエン」
キョダイマックスリザードンの専用技「キョダイゴクエン」はリザードンが倒れた後もその効果が残るため、一度でも使えれば非常に高いリターンを得ることができます。
「ステルスロック」のようにスリップダメージで確定数を変動させることができるため、後続のミミッキュやドラパルトで相手を一掃する展開の補助となることが多いです。
リザードンの専用キョダイマックス技。
炎タイプの攻撃技を媒体とし、相手の場に「4ターンの間、ターン終了時に最大HPの1/6だけ定数ダメージを与える」という効果を付与する。
炎タイプのポケモンはこの定数ダメージを受けず、通常のダイマックス技である「ダイバーン」のように天候を晴れ状態にすることはできない。
数少ない崩し枠
持ち物「ラムのみ」+技「ふるいたてる」により本パーティで不足している受け構築への回答を確保しています。
また、昆布型カバルドンなどのステロ欠伸展開を阻止できる催眠耐性を備えたポケモンでもあります。
ミミッキュ

特性 | ばけのかわ |
---|---|
性格 | いじっぱり |
持ち物 | アッキのみ |
努力値 | HP:228 攻撃:252 防御:28 特攻:0 特防:0 素早さ:0 |
実数値 | 159-156-104-x-125-116 |
技 | じゃれつく ドレインパンチ かげうち つるぎのまい |
調整意図
HP:8n-1最大値(「ばけのかわ」定数ダメージ意識)
A:特化
B:余り
解説
撃ち合い最強のアッキ型
耐久と攻撃に努力値を振り切って撃ち合いに特化することで、技「ドレインパンチ」と持ち物「アッキのみ」を合わせると、本来不利相性であるはずのカビゴンやナットレイにすら撃ち勝てます。
性質上誰とでも殴り合えるポケモンであるミミッキュが数少ない不利ポケモンを克服した型なので、選出して腐ることがほとんどありません。
ナットレイ

特性 | てつのとげ |
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性格 | のんき |
持ち物 | きあいのタスキ |
努力値 | HP:252 攻撃:0 防御:164 特攻:0 特防:92 素早さ:0 |
実数値 | 181-114-189-x-148-22 |
技 | ジャイロボール はたきおとす ステルスロック やどりぎのタネ |
調整意図
HP:振り切り
HB:ステルスロック定数ダメージ+攻撃2段階上昇「いのちのたま」持ち142(252)ミミッキュの「ダイホロウ(ゴーストダイブ)」を確定耐え
D:余り
S:ジャイロボールの威力最大化のため最遅
解説
強引に居座れる「きあいのタスキ」
高耐久のポケモンであるナットレイに「きあいのタスキ」を持たせるのは一般的には相性が悪いとされています。
しかし、あえてセオリーに逆らうことで、ナットレイを早期的に処理しようと出てくるガラルヒヒダルマやトゲキッスを想定外から大きく削ることができます。
前回の構築のようにメインコンセプトではないため「ステルスロック」を選ぶ優先度は低いですが、サイクル戦を拒否する手段として相手を選んで使用します。
選出パターン
基本選出(
+
+
/
/
/
)

カビゴンの「あくび」を駆使しながら選択枠の4体
で相手を削り、最終的にミミッキュで全抜きを狙います。
ガラルヒヒダルマの圧力で相手のダイマックスを誘発させ、「とんぼがえり」で逃げつつカビゴンでターンを消費させることでダイマックスをやり過ごすという動きをよく取ります。
対受け構築(
/
/
/
)

カビゴンとミミッキュが腐りやすくコンセプトが通用しない相手なので、リザードンやガラルヒヒダルマ
で相手を崩し、ドラパルト
などの一貫を作ることを狙います。
ナットレイの「はたきおとす」や「ステルスロック」が役立つことの多いマッチアップなので、それを利用した崩しのルートを選出画面で想定することが重要です。
おわりに
今回はPWT#12で優勝した構築を紹介させていただきました。
前回のサイクルに重きを置いた構築とは異なり、最低限のサイクルから攻めに移るものとなっています。
スペックの高いポケモンを多く採用している分、出来ることが多く行動の選択肢が広い構築です。
前回の寄稿からさほど期間を空けずにこのような結果を出せたことはとても嬉しいのですが、
参考にさせていただいた方々の原案の完成度の高さによるところが大きいです。この場を借りてお礼申し上げます。
また新しい構築を組みあげられるように頑張ります。
(澤村)