
こんばんは、ポケモンソルジャーのこんぷろ(@Compro_pkmn)です。
今回は、先日行われた週末大会『Pokésol Weekly Tournament #11』で優勝したedeさん(@ede_poke)に使用していたパーティとその解説を寄稿していただいたため、紹介していこうと思います。
目次
レンタルチーム

※エルフーン、トゲキッスの攻撃が理想値である最低値よりも高くなっています。
構築経緯
机上論で動ける対面構築

序盤に数的有利を取れればその後の詰めの展開は機械的に技を選択できるようになるため、初手からダイマックスをして数的有利を取る、いわゆる対面構築を目指しました。
まず、軸となる初手に置くダイマックスポケモンとしてホルードを採用しました。
ホルードは対面の相手を倒した後も行動できるようになる超強力なダイマックス技である「ダイジェット」が使え、かつ相手の後続として出てくるミミッキュの「かげうち」を受けない優秀なタイプを持ち合わせています。
また、「じしん」や「ギガインパクト」といった高威力のタイプ一致技を使えるため、序盤の荒らしとしては最適であると考えました。
対面構築ではお馴染みのポケモン達
ホルードから展開する対面構築としたので、後続にその数的有利を活かして戦えるポケモンを用意する必要があります。
そこで、まずダイマックスせずとも相手のダイマックスポケモンとダイマックスターンを消費させつつ殴り合えるミミッキュを採用しました。
加えて、ホルードとミミッキュの2体を選出すると、相手のナットレイやアーマーガア
などに詰まされやすくなるため、それを解消でき、「カウンター」や「ふいうち」でタイマン勝負も強く出られるエースバーン
を採用しました。
苦手なポケモンを対処する補完ポケモン

上記の3体を基本選出としましたが、ガオガエン
入りのサイクル構築には「いかく」と「おにび」で簡単に受け流されてしまうという問題を抱えることになりました。
そこで、そういったサイクルパに強く、殴り一辺倒のこの構築では相手が難しい壁構築にも強く出られる強運型のトゲキッスを採用しました。
ここまでの4体を見ると、相手のカビゴンやこちらと同様のタイマン勝負を意識したパーティ
への回答が曖昧であると感じました。
そこで、それらを「コットンガード」で詰ませることができ、対面構築で苦戦しがちな受け構築へTODを仕掛けられるエルフーンを組み込むことにしました。
最後に、氷技の一貫を切ることでガラルヒヒダルマやパルシェン
の相手ができ、第2のエースとしたトゲキッスと相性が良いギルガルドを採用し、完成しました。
個別解説
ホルード

特性 | ちからもち |
---|---|
性格 | いじっぱり |
持ち物 | ラムのみ |
努力値 | HP:4 攻撃:252 防御:0 特攻:0 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 161-118-97-x-97-130 |
技 | ギガインパクト じしん とびはねる ほのおのパンチ |
調整意図
HP:端数
A:特化
S:準速
解説
数的有利を狙う初手ダイマックス要因
近頃のホルードは「きあいのタスキ」や「こだわりスカーフ」を持った型の採用が多く、初手のダイマックスは相手の想定外からの攻撃となることが多々あります。
これらの型を想定した相手は、水ロトムに交代してきたりトゲキッス
で居座ってきたりするので「ダイアタック」を撃つことで数的有利を取ることが可能です。
状態異常耐性を付与する「ラムのみ」
殴り合いに重きを置いているパーティである対面構築では、「みがわり」や「ちょうはつ」といった状態異常への回答を採用することが難しいです。
そこで、火力を補強する持ち物がなくとも特性「ちからもち」で十分な火力を出すことのできるホルードに「ラムのみ」を持たせ、ドラパルトの「おにび」やカビゴン
の「あくび」といった展開を阻害してくる技への耐性を付けました。
ミミッキュ

特性 | ばけのかわ |
---|---|
性格 | ようき |
持ち物 | いのちのたま |
努力値 | HP:4 攻撃:252 防御:0 特攻:0 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 131-142-100-x-125-162 |
技 | じゃれつく ゴーストダイブ かげうち つるぎのまい |
調整意図
HP:端数
A:振り切り
S:最速
解説
優秀な2、3番手
「ダイドラグーン」を撃つことでホルードに殴り勝てるドラパルトを先制技である「かげうち」で縛ったり、相手のダイマックスターンを「ゴーストダイブ」+「ばけのかわ」で消費させたりと、2または3番手として非常に優秀なポケモンです。
また、ほぼ全ての攻撃に対して行動できる特性「ばけのかわ」とフェアリー・ゴーストの広い技範囲により、どんな相手でもある程度削る、または倒しきることができる点も対面構築と噛み合っています。
エースバーン

特性 | もうか |
---|---|
性格 | ようき |
持ち物 | きあいのタスキ |
努力値 | HP:0 攻撃:252 防御:4 特攻:0 特防:0 素早さ:252 |
実数値 | 155-168-96-x-95-188 |
技 | かえんボール とびひざげり ふいうち カウンター |
調整意図
A:振り切り
B:端数
S:最速
解説
優秀な技による高いタイマン性能
前述した通り、ナットレイやアーマーガア
で詰まないための炎アタッカーではありますが、「とびひざげり」や「ふいうち」といった優秀な技のおかげで撃ち合える範囲が非常に広いので、どんな相手にでも出していけます。
また、初手でダイマックス権を使うパーティコンセプトの都合上、相手のダイマックスポケモンと対面してしまう場面が多く発生してしまいます。
しかし、環境のほとんどを占める物理ポケモンへは「カウンター」によって大ダメージを与えることができるので、「ふいうち」やミミッキュの「かげうち」を合わせて倒しきることができます。
トゲキッス

特性 | きょううん |
---|---|
性格 | ひかえめ |
持ち物 | ピントレンズ |
努力値 | HP:244 攻撃:0 防御:0 特攻:156 特防:0 素早さ:108 |
実数値 | 191-49-115-176-135-114 |
技 | エアスラッシュ マジカルシャイン かえんほうしゃ くさむすび |
調整意図
HP:16n-1最大値
C:余り
S:準速バンギラス抜き
解説
ダイマックス前提の「きょううん」
一般的なトゲキッスは「てんのめぐみ」+「エアスラッシュ」のコンボによる怯みの押し付けを行います。
しかし、本パーティでは初手でダイマックスをして数的有利を取ることを目的としているため、非ダイマックス技である「エアスラッシュ」を撃つ場面がほとんど存在しません。
そこで、持ち物「ピントレンズ」と合わせてダイマックス技含む全ての技の威力期待値を1.25倍に上昇させられる特性「きょううん」で採用し、ダイマックス中の火力の底上げを図りました。
副産物として、「めいそう」による要塞化を狙ってくるピクシーや「タラプのみ」を持ったアーマーガア
にも強く出られるようになりました。
エルフーン

特性 | いたずらごころ |
---|---|
性格 | ずぶとい |
持ち物 | たべのこし |
努力値 | HP:252 攻撃:0 防御:252 特攻:0 特防:4 素早さ:0 |
実数値 | 167-64-150-97-96-136 |
技 | ムーンフォース コットンガード みがわり やどりぎのタネ |
調整意図
HP:振り切り
B:特化
D:端数
解説
防御的な詰ませ
対面構築の2体目以降は、先制技や高い素早さのポケモンで疲弊した相手を削りきって詰ませるといったイメージが強いですが、エルフーンは序盤に相手の特殊型のポケモンを排除することで物理相手に防御的な詰ませを行うことができます。
また、「やどりぎのタネ」を用いた戦術は3体ポケモンが残っている相手には、外し待ちのチャンスを多く与えてしまうためあまり有効ではありませんが、このパーティは初手で数的有利を取るよう組まれているので相性が良いです。
本来対面構築では勝つことが難しい受けループなどの高耐久サイクルに対しても、初手のホルードで数的有利を取った後TODを仕掛けることができます。
ギルガルド

特性 | バトルスイッチ |
---|---|
性格 | のんき |
持ち物 | じゃくてんほけん |
努力値 | HP:252 攻撃:4 防御:252 特攻:0 特防:0 素早さ:0 |
実数値 | 167-71-211-70-160-72 |
技 | シャドーボール アイアンヘッド かげうち キングシールド |
調整意図
HP:振り切り
A:端数
B:特化
解説
氷耐性と高耐久
上記5体で氷耐性があるのは耐久の低いエースバーンだけで、「からをやぶる」を使ったパルシェン
や「こだわりスカーフ」を持ったガラルヒヒダルマ
への回答がほぼ存在しません。
これらへの後出しが安定し、高い耐久値のおかげで確実な削りが行える性能は唯一無二です。
選出パターン
基本選出(
/
+
+
)

初手のホルードまたはトゲキッス
でダイマックスし、相手のポケモンを1体倒しつつ「ダイジェット」で素早さを上げたことを活かして2対面以降への削りを行います。
その後、削れた相手2体をミミッキュとエースバーン
で倒しきることを狙います。
ミミッキュとエースバーンにはそれぞれ「ゴーストダイブ」と「カウンター」といった、ダイマックスポケモンに対処できる技があるので、相手のダイマックスするポケモンに合わせて適切な方を2体目に繰り出せるよう意識するようにします。
対パルシェン・ガラルヒヒダルマ(
/
+
+
/
/
)

相手のパーティにパルシェンやガラルヒヒダルマ
が採用されている場合は、ホルード
、トゲキッス
が一撃で倒されてしまう可能性があるため引き先となれるギルガルド
を選出します。
対受け構築(
+
+
/
/
/
)

受け構築はダイマックスしたホルードを受け切ることが難しいので、初手のダイマックスホルードで数的有利を取りエルフーン
の「やどりぎのタネ」+「みがわり」でTODを狙っていきます。
おわりに
以上がPWT#11にて優勝、ランクマッチS5で使い続けたパーティの詳細です。
対戦回数を増やしても「絶対に勝てない」という構築に出会うことも少なかったので、幅広く対応の利く構築が組めたと思います。
何よりも選出もある程度決められているので誰でも扱いやすいです。
ただし、4月中盤までとそれ以降ではダイマックスホルードの通りが段違いに変わってしまったことが問題点として挙げられると思います。
ダイアタックをゴーストタイプで透かされたりされ、立ち回りが窮屈になってしまいました。
しかし、初手ダイマックス構築が強いという事実も間違いないと考えているので、今後も安定して勝てる構築を求めて考察を進めていきたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
(ede)